経営事項審査を想定した実務上のポイント解説

経営事項審査(経審)では、建設業者の技術力を評価するために、
「技術職員名簿」**の提出が求められます。

この名簿に
「誰を記載できるのか」
「社員なら誰でもよいのか」
といった点は、経審実務で特に質問の多い部分です。

本記事では、宮城県における経審の運用を前提に、技術職員名簿へ記載できる人の範囲と、注意点を分かりやすく解説します。

技術職員名簿とは

技術職員名簿は、
経審における 技術力(Z点) を評価するための基礎資料です。

建設工事の施工に関し、
一定の技術力を有する職員を記載し、
その 人数や資格内容 に応じて点数が算定されます。

単に在籍している社員を記載する書類ではなく、
要件を満たす技術者のみが対象となります。

技術職員名簿に記載できる人の基本要件

技術職員名簿に記載できるのは、
原則として次の要件をすべて満たす人です。

① 常勤性(恒常的な雇用関係)があること

技術職員として評価されるためには、
審査基準日(通常は決算日)以前から、6か月を超える恒常的な雇用関係があることが求められます。

「一時的な雇用」や「短期間の在籍」は認められません。

実務では、次のような資料により常勤性が確認されます。

  • 健康保険・厚生年金の加入状況
  • 雇用保険の加入状況
  • 給与支給の実態

② 申請会社に所属していること(実態があること)

技術職員名簿に記載できるのは、
当該建設業者に実態として所属し、業務に従事している人です。

次のようなケースは認められません。

  • 名義だけを借りている
  • 実際には他社で常勤している
  • 業務実態が確認できない

③ 技術職員としての資格または実務経験があること

技術職員名簿には、
資格保有者だけでなく、一定の実務経験を有する人も記載できます。

ただし、いずれの場合も
裏付け資料が必要となります。

記載できる技術職員の主な区分

① 監理技術者に該当する人

  • 監理技術者資格者証を有する者
  • 監理技術者講習を修了している者

主に特定建設業において重要な位置づけとなり、
経審でも高い技術力として評価されます。

② 主任技術者となり得る資格保有者

次のような国家資格を有する人は、
技術職員として記載できます。

  • 1級・2級施工管理技士
  • 技術士
  • 1級・2級建築士
  • その他、建設業法に基づく資格

※評価対象となる業種・区分との対応関係が重要です。

③ 資格はないが、実務経験で認められる技術職員

国家資格を持っていなくても、

  • 建設業法上、主任技術者になれる
  • 一定年数以上の実務経験がある

と認められる場合は、
技術職員名簿に記載することができます。

この場合、
実務経験証明書の提出が必要となり、
経験内容・期間・工事内容の整合性が厳しく確認されます。

記載できない、または注意が必要なケース

派遣社員

派遣社員は、
直接的な雇用関係がないとして、
原則として技術職員名簿に記載できません。

出向者

出向者については、
雇用関係や指揮命令系統の実態により取扱いが分かれます。

宮城県の実務でも、
出向契約書等により常勤性・所属実態が確認できるか、
個別に判断されるケースがあります。

監査役

監査役は、
会社法上の兼職制限との関係から、
技術職員名簿に記載することはできません。

二重計上

同一の技術者を、
同時期に複数の会社で技術職員として計上することは不可です。

実務上の注意点

  • 点数目的で無理に記載すると、補正や不認定の原因になります
  • 経審と建設業許可の要件は同一ではありません
  • 技術職員として載せられるか迷う場合は、事前確認が安全です

まとめ

技術職員名簿に記載できるのは、

  • 6か月を超える恒常的な雇用関係(常勤性)がある人
  • 申請会社に実態として所属している人
  • 資格または実務経験の裏付けがある人

です。

技術職員名簿は、
経審の技術力評価に直結する重要書類です。
正確な理解と慎重な記載が、スムーズな審査につながります。

経審・技術職員名簿でお困りの方へ

当事務所では、

  • 技術職員として記載できるかの事前確認
  • 技術職員名簿の作成・チェック
  • 宮城県への経審申請サポート

を行っています。

「この社員は載せられる?」
といったご相談も、お気軽にご相談ください。

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